スペイン語力を鍛える作文テーマと書き方
前回の記事では、スペイン語の作文学習(ライティング)の必要性と効果についてまとめました。
今回は、私がやってきた作文練習方法とおすすめの作文テーマ5つを紹介します。
前回の記事はこちら
スペイン語作文練習の必要性と効果
目次
スペイン語作文テーマの選び方と書き方
作文テーマの選び方
DELE 対策ではない場合、作文のテーマは基本的には何でも良いので自分の好きなことを書くことが大事だと思います。
自分の好きなスペイン料理のこと、趣味のこと、旅行先で感じたこと、好きな映画や音楽のこと、昨日あったこと、など。
思い浮かばなければ「いつか人に話したいこと」「今度ネイティブの○○さんと会ったときに話したいこと」「レッスンで講師に話したいこと」で考えてみると良いかなと思います。
自分が他人に話すことを想定して、具体的なイメージを持って書くのがおすすめです。
といいつつ、最初は自分がどの程度書けるかわからないと思うので、実際に書いてみて自分のレベルを認識しながら、テーマを選んでいくのが良いかもしれません。書いているうちに、どういうテーマだと難しいか、どういうテーマだと書きやすいか、というのがわかってきます。
個人的にざっくり難易度を挙げるとこんな感じです。
- 難易度 低:現在の物事の描写
(例:写真描写、行事や習慣、地理など、不変的な物事の説明) - 難易度 中:過去に起きた事象・事実の描写
(例:過去の出来事、事件や歴史についての説明) - 難易度 高:自分の考えの描写
(例:あるテーマについて自分の考え・根拠の説明)
難易度判断のポイントは、時制の複雑さがどの程度必要か、論理立った説明がどの程度必要か、というところでしょうか。
DELE 用に作文練習をする場合は、各レベルの問題集をやるしかないですね。
私が B1 の作文例とした書いた作文は以下の記事で紹介しているので、興味があれば参考にしてください。
DELE 対策じゃない場合はとりあえず、最初に考えすぎてもよくないので何でも良いから書いてみよう、と始めてみるのが良いですね。
作文の書き方
ライティングする際は、手で書いても良いしタイピングしても良いと思います。
Google ドキュメントで書くと、つづりや文法の間違いには波線で指摘が入るので、最初のうちはこの指摘を活用するだけでも気づきが多いです。
DELE 対策として練習するなら、実際に手で書く必要がありますね。
書こうとしてみて「全然書けない!」という場合は、文章表現が掲載されている本を参考にしながら書いてみると良いと思います。
「日記を書いて身につけるスペイン語」は、日記に使うフレーズや熟語、構文が多く載っていておすすめです。
もしくは、書きたい内容がどうしても思い浮かばない場合は作文の練習問題集を使っても良いと思います。
「解説がくわしいスペイン語の作文」は、基本の作文問題から掲載されていてタイトルの通りくわしく解説が載っているので初級者にもおすすめ。
「スペイン語作文の方法 構文編」は、B1受験レベルやB1~B2レベルで作文を強化したい方、表現力を伸ばしたい方向けです。
作文を書いたあとは、できれば添削を受けます。
私は、スペイン語オンラインレッスンの講師から添削を受けました。オンラインレッスンで添削を受けるなら、カフェトークかスパニッシモがおすすめです。
DMM 英会話の講師はスペイン語講師じゃないので、スペイン語文法や正しいつづり、学習者の間違えやすいポイントに熟知していない可能性が高いです。
ここからは、具体的な作文テーマをいくつかご紹介します。
1. 何か物事を説明する
これは上記の難易度低に挙げたテーマなんですが、「スペイン語で何かを説明してみましょう」というものです。
たとえば、
- 自分について(自己紹介)
- 自分はこの国(スペインとかメキシコとか)の何が好きか
- 日本の天気、気候
- 日本はこういう国です
- 私の出身地はこういう都市です
- 日本のお正月にやること、食べること
- こどもの日にやること
- 日本のクリスマス
- 日本の学校制度
- テレビゲームについて
- 好きなアニメや漫画について
- 日本の結婚式について
など。
思いついた順に挙げましたが、これらは私が現地の習い事や語学学校に通っていたときに話題に挙がったテーマです。
基本的には直説法の現在形を使えば説明できることだと思うので、基本的には難しくありません。ただ、書いてみると、わからないことがわかってきます。最初はそれが大事。
人によっては、またレベルによっては書く必要はないようなテーマかもしれませんが、作文の最初のステップとしては書きやすい、かつ、人との会話中に話題にのぼりやすく会話中に効果を感じやすいテーマじゃないかなと思います。
2. 写真描写
もし①のテーマで書くことがまったく思い浮かばないときは、写真描写をするのがおすすめです。
写真描写は DELE の面接パートでも出てくる課題で、写真に何が写っているかを説明するものです。オンラインレッスンで口頭で練習するケースが多いと思いますが、書くのも練習になります。
これは、写真さえ選べば特に自分では話すネタを考えなくて良いので、疲れているときやテーマを考えるのが面倒なときなどに気分転換にやっていました。
写真は何でも良いですが、 DMM 英会話の教材としてたっぷり用意されているのでここから選ぶのが楽です。
写真描写教材の使い方については、こちらの記事でもまとめています。
3. 最近あったことを書く
昨日こんなことがあってさ〜と友だちに話すイメージで、最近あった出来事を書きます。
日記をイメージすると内容が内向きになりやすいので、友だちにどんなことを話したいかっていう頭で書くのがポイント。実際に友だちと話せるチャンスが来たら、そのままのネタで話せます。
最近あった出来事はそんなに難しい過去じゃないはずなので、線過去・点過去を使ってシンプルに書いていけます。
あとは、楽しかった、感動した、びっくりした、嫌だった、面白かった、などの感情面を表現する練習になります。
- 先週行ったレストランについて
- 先週行った観光地での出来事
- 先週来た洗濯機の修理業者がひどかった話
別に落語じゃないので、話を無理やり面白くしようとしたり、オチを付けたりする必要は特にないので、どういうことがあって、どう思ったか、というのを書いていけば良い。
私の経験だと、こういう話って実際に外国でネイティブ相手にしてみると、結構ちゃんと反応してくれます。国や料理を褒めるともちろん喜ばれるし、質問を重ねてくれたりもするし、うちの国はこうなんだよ、みたいに話を返されたり、なんだかんだで話が結構続いていきます。作文で話したい日常ネタをストックしておいて、無駄なことはないと思います。
4. ニュースを要約する、自分の言葉で説明する
スペイン語で書かれたニュース記事をピックアップして、要約してみます。要約じゃなくて自分なりに説明し直す、っていうのでもOK。
これはちょっと大変で、難易度中〜高になると思います。
私はこれ作文じゃなくて家庭教師の先生と口頭でやってたんですが、まぁ難しかったですね。まずニュース記事を理解しないといけないし、それを自分の言葉で、自分が使える語彙で、相手にわかるように説明しなきゃいけない。
また海外のニュースだとたいていの場合、そのニュース記事単体では理解しきれないその国の文化や背景っていうのも関わってきます。
ということで、口頭でやるのは難しいので、ライティングして添削を受けたり、ライティングしたうえで話してみるのが良いと思います。
素材のニュース記事は、スペイン語圏に住んでいるのであればその国のニュースから引っ張ってくるのが一番良いかなと思います。
良いのがわからなければ、BBC のスペイン語版とか、Yahoo のスペイン語版をチェックしてみると良いかも。
Noticias - BBC News Mundo
Yahoo Español
日本に住んでいるのであれば NHK ラジオのスペイン語版ニュースや、International Press というサイトが、日本の話題をスペイン語で書いているので取り組みやすくておすすめです。
Noticias | NHK WORLD-JAPAN News
Portada | International Press - Noticias de Japón en español
5. オンラインレッスンで話したことを、書いてまとめる
オンラインレッスンでの会話内容を書いてまとめるという作文です。
レッスンであれば、話し相手はスペイン語講師ですし完璧に話せなくても会話はできますが、いざ書いてみるとなると、話をきちんと順序立てて論理的に、根拠とともにまとめていく必要があります。
講師とディスカッションなど意見を交わしたときに作文してみると、一番力がつきそうな(大変な)気がしますね。
作文では、お互いが話したことを一般論的にレポートみたいにまとめても良いし、自分が話した自分の考えをまとめても良いし、レッスンで話してないけどもっと付け加えたいこと、みたいな内容を追加しても良いと思います。
こういう考えを述べる系の作文では、まず、普段の日常会話ではあまり使わないようなディスコースマーカーを覚えることになります。
- したがって(por lo tanto, por consiguiente)
- しかし(pero, sin embargo, no obstante)
- なぜなら(porque, pues)
- 加えて(además)
- たとえば(por ejemplo)
- 〜に関していうと(en cuanto a)
- 〜と比較していうと(en comparasión con)
- まず第一に(en primer lugar)
- 最後に(para terminar, por último)
- いずれにせよ(de todos modos, en todo caso)
こうしたディスコースマーカーを意識して使っていくと、結論から始まって根拠や具体例を伝え最後にまた結論をまとめる、みたいな論旨の展開が身についていきます。ライティングで使い方がわかってくると、口頭でもスムーズに使えるようになっていきます。
追記:ディスコースマーカー(接続詞・接続語)についてはこちらの記事でまとめたので、よかったら参考にしてください。
オンラインレッスンで行うディスカッションのテーマは何でも良いですが、ネイティブキャンプの教材「トピックトーク」は、ディスカッションのための補助的な質問もあっておすすめ。
教材の使い方と予習方法をまとめた記事です。
私が過去に書いた作文をひとつ振り返ってみると、トピックトークの以下教材を使って SNS について書いたものがありました。
スパニッシモのレッスンで話をして、その内容をまとめたんですね。作文としては、
- SNS にはこういうものがある
- 私が過去に使っていたのはこれとこれ
- 〜については、こういう風に使っていた
- 〜については、こういう風に使っていた
- でも、こういう理由で疲れてやめた
- 今はこれを使ってるが、その理由はこれ
という感じ。書いた内容は、レッスン中にすべて私が話したわけではなく、メリットやデメリットなどを講師と話す中で頭を整理して一般論的に書いたり、自分の経験を付け加えています。
添削された作文を見ると赤字だらけ。笑
一回ライティングしてみると、そのテーマについて頭が整理されるのですごく話しやすくなるんですよね。書いたことをさらに次回のオンラインレッスンで話してみれば、作文前後でどの程度話ができるようになったかよくわかりますし、話す練習になります。
こういう自分主体の話す系のレッスンには、格安で毎日レッスンを受けられる ネイティブキャンプ や DMM英会話 を使うのがおすすめです。
私はDMM英会話を使っていました。
DMM英会話がおすすめな理由
まとめ:とりあえずスペイン語で書き始めよう
いろいろ書いてしまいましたが、とりあえず最初は好きなテーマで書いてみて自分のレベル感を感じながら、徐々にレベルアップしていくのが良いと思います。
やっていくうちに自分の弱点なども見えてくると思うので、そしたら弱点を強化できるようにテーマ設定していけば良いんじゃないかなと。
作文は残るので、あとで振り返ってみると自分の成長の跡が感じられて、励みになるときもあります(ならないときもある。笑)。
大事なのは継続です。すぐに効果が出るわけではないかもしれませんが、続けていれば着実にスペイン語力は鍛えられるはずです。
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