有元葉子さんに学ぶ、炊飯器で簡単においしくご飯を炊く方法
「ご飯をおいしく炊く」というと、暮らし系 YouTuber の人がよくやっているように土鍋やホーロー鍋を使うイメージがあると思うんですが、炊飯器でも簡単においしく炊くことができます。
参考にしたのは有元葉子さんが解説されていた炊き方とおひつの活用。
実際に炊飯器で炊いてみて、本当においしく感じた方法をまとめてみました。
目次
炊飯器でもおいしく炊くには
参考にした本はこちら、有元葉子さんの『ごはんのきほん』です。
この本は、有元葉子さんの著作『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』シリーズの1つで、白いご飯、だし、旬な野菜、パスタなど、基本の食事について語られている料理本です。
一般的なレシピ本のように材料と手順が写真つきで載っているわけではなく、有元さん流の料理の考え方やおいしく調理するための方法がテーマごとに文章で紹介されています。
料理エッセイ本のような趣です。
シリーズ3冊の内容はこちらの記事でも紹介しているので、よかったら参考にしてください。
レシピを見ないで作れるようになったか?有元葉子さんの本から得たもの
さてこの『ごはんのきほん』の最初の章では、白いご飯をおいしく食べる方法が紹介されています。
炊く道具よりも炊いたあとのご飯をどうするかが大事というのが有元さんの考え方で、本での主題は「ご飯は炊けたら、おひつに移す」という点なんですが、さらっと炊き方についても触れられているんですよね。
私が理解するに、おいしく炊くためのポイントは以下2点。
- お米を洗ったあと、10分浸水させる
- 浸水後はざるに上げ、20分置いて水気を切る
そしてさらに、
- 炊き上がってから、ご飯をおひつに移す
この3ステップで、ご飯がより一層おいしくなるというしくみかと思います。
こうすると、炊飯器で炊いたご飯も本当においしくなるんです。同じ炊飯器で炊いたとは思えないくらいできあがりが違います。
また、この3点以外は気にしなくてもいいから簡単に実現できるのもポイントです。
浸水の温度や水の量など、その他のことには神経質になる必要がなく、特別な技術が必要とされることもありません。
ご飯はおひつに移して完成する。
「普通の炊飯器+おひつ」
この組み合わせがいい、という結論です。
『ごはんのきほん』(SBクリエイティブ 20ページ)
お米をざるに上げて20分置く理由や、新米の場合はどうするかなどは『ごはんのきほん』に書かれているので、気になる方は読んでみてください。
浸水と水切りをして、早炊きモードで炊く
炊飯するとき、まずはざるとボウルでお米を洗ってそのまま浸水させます。
浸水後は、ざるをボウルに立てかけてしっかり水気を切ります。
この写真のざるとボウルは、これまた有元さんのラバーゼのもの。中サイズ。
これ、値は張るんですが丈夫だし、お米とぎにも何にでも使いやすくておすすめです。
ざるには足がついていて、上の写真のようにボウルに引っ掛けてしっかり水切りできます。同サイズの浅ざるとプレートも、だし取りや野菜の保存等で非常に使えます。
炊飯器で炊くときは、普通の白米モードではなく早炊きモードを使っています。
普通のモードには浸水時間が組み込まれているようですが、上記の通り浸水と水切りは別で済ませてから早炊きで炊いた方が断然おいしい!
20分置くと、お米が白くなる。このあと炊飯器へ |
時間的には、うちの炊飯器だと普通の白米モード:約60分、早炊き:約30分なので、浸水と水切りで30分使ったとしても炊き上がりまでの時間はほとんど変わりません。
木のおひつ。その効果は
樽冨かまたのおひつ
おひつは、この本を読んでしばらく経ってからふるさと納税の返礼品として入手しました。
有元さんが使用されている樽冨かまたのおひつが、秋田県能代市の返礼品になっていたのを見つけて申し込み。
画像は 樽冨かまた 公式ウェブサイト より |
おひつの詳細や価格は樽冨かまた公式サイトに出ていますが、二合用〜五合用でいずれも2万円以上するので、購入は躊躇してたんですよね。
木のおひつなんて使ったことも見たこともなかったし、ご飯を保存するためだけの容器にそんなにお金かけるのか、って普通なら思いませんか。笑
でもあるとき返礼品で発見。
ふるさと納税は毎年どこかにしていたので、今年はおひつをもらおうってことで能代市に納税しました。
三合用のおひつを使っていますが、いつも四合入れてます(ぎりぎり入ります)。
樽冨かまたのものじゃなくても、ふるさと納税サイトにおひつはいろいろ出ています。
木の種類も杉だったりサワラやヒノキだったり、木以外の素材だったり。
どの製品も、良さそうなものはそれなりの価格になっていますが、消耗品ではないので一度手に入れたらずっと使えると思います。
木のおひつの役割
木のおひつは、炊きたてご飯の余分な水分を吸収して、ご飯をちょうどおいしい状態に保ってくれるようです。おひつには陶器やプラスチックのものもありますが、この水分調節機能が木のおひつの良いところ。
おひつがご飯の水分をコントロールしてくれるから、炊くときは水の量に神経質にならなくても良いんです。多少水加減を失敗しても、おひつに入れれば自然とおいしくなります。
おひつは、ご飯を入れる前に中を軽く水で濡らして水分を拭き取っておきます。そうすると、ご飯粒がおひつにくっつきません。
炊飯器のご飯をほぐしながらおひつに移したら、私は濡れ布巾をかぶせてふたをしています。
調べてみると、濡れていない布巾をかぶせて蒸気を吸い取るのが良いようなんですが、濡れ布巾+ふたのほうがご飯がおいしく感じられたのでそうしています。
おひつで保存したご飯は、一粒ひとつぶがしっかりしてるんですよね。見ると違いがすぐわかります。
炊飯器で炊いた直後は、上の方と下の方とでご飯の固さが違ったりしていますが、おひつに移しておくとご飯全体の粒がしっかり立ちます。だいたい、食べる前に30分〜1時間前くらいおひつでご飯を保存しておくような感じで使ってます。
おひつを経たご飯は冷凍してもおいしいので、いつも多めに炊いておひつから冷凍用の保存容器に移すようになりました。
おひつの裏には焼印 |
樽冨かまたのおひつは秋田杉。ご飯を食べるときにほんのり杉の香りがして安らぎます。この香りは、おひつを使い始めて1年以上経った今でもほんのり感じられます。
おひつは使い終わったら水とタワシで洗い、水気を拭き取って乾燥。桶の中に湿気がたまらないように、横向きか上向きで乾かすのが良いようです。
木のおひつ、手入れは必要ですが難しくはありません。それになんか、木の製品って愛着がわくし、使っていて幸せな気持ちになれます。
普通の炊飯器とおひつで、こんなにご飯がおいしく感じられるなんて、という気持ちです。
有元さんの『レシピを見ないで作れるようになりましょう』シリーズは、料理に対する価値観を大きく変えてくれた本でした。