スペイン語の精読のやり方/リーディング勉強法【基礎力UP】
精読はリーディング学習の基本です。
継続して取り組むと、読解力だけでなくスペイン語の基礎力が底上げされる感じがしますよね。
「なんとなくわかる」じゃだめなので、わかったつもりでわかっていなかった部分に気づけるし、自分の課題が明確になることで何に取り組めば良いかがわかります。
この記事ではスペイン語の精読の目的と、私が実践している具体的なやり方をまとめました。
目次
リーディング学習で目指すこと
リーディング学習の目標は、文章を正確に、素早く読めるようになることです。
できれば日本語で読むのと同じスピードと理解度で、文章を読めるようになることを目指していきたいですよね。
その結果、
- ニュース記事から素早く情報収集できる
- 小説を読んで楽しめる
- DELE など試験の長文読解で正しい答えを導ける
などの目的達成に近づけます。
リーディング力を高めるトレーニングとしては、精読と多読が挙げられます。
精読の目的と効果。多読との違い
精読は、文法・文章構造・語彙に細かく注意しながら、一文一文を丁寧に読んでいくリーディングの勉強法です。
わからない文法や単語があれば辞書や参考書で調べ、文の意味を完全に理解することを目指します。
一方、多読では量をこなすことを重視し、文章中にわからない文法や語彙があっても立ち止まらず、どんどん読み進めていきます。
一言一句理解する必要はないので、辞書は使わずに大まかに意味を取りながら、スペイン語を素早く読むことに慣れていきます。
読み方 | 目的・効果 | |
---|---|---|
精読 | 文章の意味を完全に理解する |
|
多読 | 文章を素早く効率的に読み、 文の大意を把握する |
|
精読と多読では目的が違うので、自分の課題に対してどちらに取り組むかを決めますが、リーディング学習の基本は精読になると思います。
多読はある程度読めるようになってからじゃないと現実的には取り組めないので、まずは精読で力をつけることが重要です。
スペイン語の精読のやり方
私が精読でやっている方法を紹介します。
時間はかかりますが「一文一文を完全に理解する」ためのやり方です。
精読の全体の流れ
大まかには以下の流れで進めます。
- 文章全体を2〜3回通して読み、大意をざっと理解してみる
- 段落ごとに文章をノートに書き写す
- 各文の意味が完全に理解できるか確認する
- 再度、文章全体を通して読む
それぞれのステップについて細かく見ていきます。
精読のステップ1〜4
文章全体を2〜3回通して読み、大意をざっと理解してみる
まずは文章全体を通して読み、どんなことが書いてあるかざっと把握します。
3回くらい読んで文全体の趣旨がなんとなく理解できる、くらいの難易度の文章が精読対象です。
後ほど詳しく説明しますが、それ以上簡単だと精読するには効率が悪く、それ以上難しいと精読がつらいです。。
段落ごとに文章をノートに書き写す
段落ごとに文章をノートに書き写します。
書き写す理由は2つです。
- 読解用のメモを、テキスト本体には書き込みたくない
精読する際は、文章構造を理解するために意味の区切りにスラッシュを引いたり()で囲んだり、代名詞・関係詞が指すものを線でつないだりしています。
こうしたメモをテキスト本体に書き込んでしまうと、あとで読むときに純粋なスペイン語を読めなくなってしまうんですよね。メモや日本語がどうしても目に入ってしまいます。
なので文章は一度ノートに写し、その写した文章のほうにメモを書き込みます。
単語の覚え方の記事でも触れましたが、私は長文を繰り返し読みたいので、教材のスペイン語テキストには基本的に書き込まないようにしています。
- 文章を写す過程で、読んだだけではわからなかった文章構造にふと気づいて意味がわかるときがある
これはほんとに不思議なんですが、読むだけでは理解できなかった文章が、書いたらなぜか理解できる、ということがよくあります。
書いている途中にふと、あっこれこういうことだ、って気づくんですよね。
メモを本体に書き込みたくないから、というだけならテキストをコピーしても良いんですが、書き写す効果を実際に感じているのでこの方法で続けています。
※もちろん、書くだけでは理解できない文章もたくさんあります
調べてみると、英語では「書き写すだけの勉強法」というのもあるそうです。私は書き写すだけっていうのはやっていませんが、効果を感じてその勉強法をやる人がいるというのは理解できます。
各文の意味が完全に理解できるか確認する
書き写した段落ごとに、一文一文の意味を確認します。
このとき目指すのはその文について一切の不明点がないようにすることです。
一文ごとに読んで、不明点がなくすんなり意味がわかれば次の文に進みます。
すんなり意味がわからない場合は、その文の何かが引っ掛かりになっていると思われます。そういうときは文章内の各要素について細かく見ていき、何がわからない原因となっているのかを探っていきます。
たとえば次のようなチェックポイントがあります。
- 単語の意味はわかっているか
- 熟語の意味がわかっているか
- どういう文章構造になっているか
- 主語はどれで、動詞はどれか
- 関係詞があるなら、どこからどこまでひとかたまりなのか
- なぜここは接続法が使われているのか
- この que はどういう役割なのか
- この lo は何を指しているのか
- この se は何を意味しているか
などなど。
辞書・参考書などを使いながら、文をじっくり読んで不明点をクリアにしていき、他人に日本語で説明できるくらいの理解度を目指します。
読むときは、ノートに自由にメモを書き込んでいきます。
私は意味のかたまりをスラッシュで区切ったり、関係詞や修飾語を()で囲って文の主語述語を明確にしたり、熟語は下線を引いたり、並列になっている語に丸をつけたりしています。
単語も調べたものはメモとして残しています。
じっくり読んでも自分ひとりで不明点を解消できない場合は、オンラインレッスンなどを活用してスペイン語講師に聞いて解消します。
その過程で、自分の苦手な文法もわかってきます。
たとえば接続法過去の使い方が曖昧とか、未来形の活用が曖昧だったとか、cual の使い方がよくわかっていなかったとか、そういうことですね。
苦手な文法がわかれば、参考書や問題集などでその部分を復習して強化していきます。
再度、文章全体を通して読む
完全に理解できた文章は、何度も繰り返し読みます。
特に新しい単語は一回読んだだけでは覚えられないことも多いので、繰り返し読むなかで覚えていきます。
文章構造についても、一度精読してわかった! と思っていても一週間後に読むとあれ、これどうだっけ? となることも普通にあるので、そういう場合はノートを見返してどんなふうに読んだかを思い出して、また読みます。
繰り返し読むうちに、なんだかわかってくるようになります。
精読する文章の選び方と、教材例
選ぶのは、適度な難易度の文章です。
先ほども少し書きましたが、私が目安としているのは、
くらいの難易度の文章です。
精読は、書き写したりするのに結構時間がかかります。
簡単すぎるものはかける時間に対して得られるものが少ないので、精読ではなく多読の読み方のほうが良いと思います。
難しすぎるものは、取り組んでも良いのですが調べることが多すぎてつらいです。ざっと読んで文の大意がほとんどつかめない文章は、あんまりおすすめしません。
教材の例
DELE 問題集の長文
使いやすい教材の例としては、まずDELE 問題集の長文。レベルが設定されているので取り組みやすいですし、精読は試験対策にもなります。
文法をまだ終えていない場合は A2 の問題集、すべて終えた場合は B1 以上の問題集を使うと良いと思います。
問題集は EDELSA や El Cronómetro が有名ですが、長文が載っていればなんでも良いと思います。
ニュースサイトの記事
ニュースサイトの記事も使いやすいです。ニュースは基本的に起きた事実が述べられているので、理解しやすい。わからない部分があっても、そのニュースを日本語で調べたりできます。
ニュースサイトはこちらの記事でも紹介しているので、読みやすいもの、興味のあるものを選んでみてください。
本
文法を終えている場合は、スペイン語で書かれている本も良いですね。事実が述べられているタイプの本(小説以外)であれば、文法を終えていれば自力でも読み切れると思います。
私はこれまで精読には DELE 問題集や本を使っていて、現在は小説に取り組んでいるのですが、小説はやっぱり難しいです。。
まだまだ先は長いです。
まとめ:精読でスペイン語の基礎力向上もできる
私はリーディングをちゃんと始めたのは学習を始めて1年後くらいで、文法を一通り終えたあとでした。文法を終える前にやった精読は A2 の DELE 問題集くらいでしょうか。
最初は本を読めるレベルでは全然ありませんでしたが、スペイン語の児童書、ガイドブック、ニュースサイト、本、小説と徐々にレベルアップして来れているのは成長を感じます。
精読では単語・文法・文章構造について突き詰めるので、しっかり取り組めばスペイン語基礎力全体の向上になります。
わかっていなかった部分に気づけるのも、学習継続という点では大きなメリットです。気づけないと改善はできないので、大きな収穫になります。
1日少しずつでも時間をとって、やっていきましょう!