中華鍋とフライパンの違いと、中華鍋のメリット
私は日々の料理では鉄フライパンをよく使っていますが、鉄の中華鍋も使います。
中華鍋とフライパンではどっちが良いか? というのをたまに見かけますが、個人的にはどっちも必要だと思う。というのも用途が違うからです。
中華鍋は炒める・揚げる用、フライパンは焼く用。
作る料理によって道具を使い分けると、どんな料理もおいしくできる気がします。
今回は、私が日々使う中で感じている中華鍋とフライパンの違い、中華鍋のメリットなどをまとめました。
ちなみに私が使っている中華鍋は、山田工業所の 30cm(木柄)のものです。
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目次
中華鍋とフライパンの違いは、用途と適した料理
中華鍋とフライパンの違いは冒頭にも書いた通り、用途と適した料理です。
中華鍋は炒める・揚げるのが主な用途、フライパンは焼くのが主な用途です。
私の中では、それぞれ次のような料理に適していると思っています。
- 用途:炒める、揚げる
- 適した料理:
- チャーハン・麻婆豆腐・麻婆なす・チンジャオロース・エビチリ・回鍋肉などの中華料理
- 唐揚げ・野菜の素揚げ(揚げびたし)
- パスタソース作り
- 用途:焼く、揚げ焼き
- 適した料理:
- お肉・魚・ハンバーグ・餃子・目玉焼き・錦糸卵・ホットケーキ・ステーキ・すき焼き など
見た目としては形が違っていて、特徴は以下の通り。
- 中華鍋:底が深い・丸い
- フライパン:底が浅い・平ら
30cm 中華鍋の深さと丸さはこんな感じです。
また、鉄中華鍋と鉄フライパンでは鉄の板厚も違うケースが多いです。中華鍋のほうが基本薄い。
- 中華鍋:板厚 1.2mm が一般的
- 鉄フライパン:板厚 1.6 ~ 2.3mm が一般的
鉄の場合、板厚は薄いほうが炒め物には向いていて、厚いほうが焼き物には向いています。
私が使っている中華鍋は山田工業所の木の取っ手がついているタイプで、板厚は 1.2mm。木の柄があると持ち手が熱くならないのが良いです。
中華鍋とフライパンの使い分け
日々の料理の中で、中華鍋とフライパンの登場回数は4:6くらいです。ちょっとだけフライパンのほうが多いかなという感じ。
フライパンは、鉄フライパンを使っています。
中華鍋と鉄フライパンでは、次のような使い分けをしています。
中華鍋の使い方
中華料理・炒め物
中華鍋では、その名の通り中華料理をよく作ります。中華料理は基本炒め物が多いし、中華鍋のほうが断然作りやすいです。
なすと牛肉のオイスター炒め |
たとえば麻婆豆腐を鉄フライパンで作るのは、不可能じゃないけどうまくはできない。
中華鍋でひき肉を炒めて甜面醤とか豆板醤とかを加えると、丸い底にひき肉の脂と調味料がたまって集中的に炒められる感じになるんですが、そのバチバチ感がすごく良いんですよ。これは平らなフライパンでは絶対できない。
ちなみにいつも参考にしている麻婆豆腐のレシピはこれ。おいしいです。
マーボー豆腐 レシピ 陳 建一さん|【みんなのきょうの料理】
底が深くて丸い形って、ほんとに炒め物がやりやすいんです。調理の際のこの快適さは鉄フライパンでは得られません。
チャーハン |
ガパオライスや焼きそばなどに添える目玉焼きも、鉄フライパンではなく中華鍋で焼くことが多いです。縁がこんがり焼けた、丸くてかわいい目玉焼きができます。
中華鍋で焼く目玉焼き
唐揚げ、野菜の揚げびたしなど
唐揚げのように厚みのある揚げ物も中華鍋でやります。
油が底にたまるので油の量もそこまで必要とせず、それでも適度にタネが油に浸かります。
油は少な目で、鶏肉1/2枚くらいを一度に揚げます |
あと油が外にあまり飛び散らないのも中華鍋の利点。中華鍋は大きくて深いし、縁が外側に広がっているので、飛び散った油も中華鍋の中におさまりやすい。
多少は外にも飛び散りますが、底の浅い鉄フライパンで揚げるよりも飛び散り具合は少ないです。
油の飛び散りは油はね防止ネットを使えば防げるんですが、私もこれ買ったんですが洗うのがめんどくさくて結局ほとんど使ってないんですよね。。笑
野菜を素揚げするときも中華鍋は便利。少量の油で良いから温度も上がりやすく、さくっと揚げられます。
油を節約して揚げ焼きぎみになすを素揚げする |
素揚げするとき、中華鍋の丸い側面に野菜を置くと、滑り台みたいに野菜がすーっと滑って油に静かに入ります。
油の中に直接落とすんじゃなくて側面から滑らせることができるので、油もはねないし、野菜を次々に投入しやすいです。滑らせた後、油の中に入って野菜がジュワジュワいいだす感じがまた良い。
野菜を素揚げしてそのあと炒めるレシピでは、中華鍋で素揚げしてからそのまま炒め物に移行できます。
パスタソース作り
中華鍋でパスタソースを作ってパスタとからめるというのも実は結構やりやすいです。
うちは 30cm の中華鍋を使っていますが、2人分のパスタをからめるのにサイズと形が非常に適していると感じます。
ボロネーゼ風パスタ |
中華鍋でトマトソースを作ると、トマトの酸と反応して中華鍋の色が銀色っぽくなります。中華鍋の黒い酸化被膜が酸と反応してはがれ、鉄の地肌の銀色が見えてくるためです。
銀色になった場合も、再び空焼きをして油を塗れば問題なく使い続けられます。ただ私は、あまり頻繁にはトマト系の料理はやらないです。
中華鍋の蓋は、木蓋を利用
中華鍋の蓋としては木蓋を使っています。
30cm の中華鍋に 30cm の木蓋。内縁にはまる感じになってちょうど良いです。26cm の鉄フライパンと兼用しています。
中華鍋で蓋をする機会は頻繁にはありませんが、炒め煮や蒸し焼きなどでじっくり火を通したいときに使っています。
こちらの木蓋は丈夫で見た目も美しく、おすすめです。15cm〜さまざまなサイズがあります。
フライパンの使い方
フライパンは基本的に焼き物用で、たまに揚げ焼きをする感じです。
先ほど挙げた通り、お肉・魚・ハンバーグ・餃子・目玉焼き・錦糸卵・ホットケーキ・ステーキ・すき焼きは、鉄フライパンで調理します。
私は島本製作所の 2.3mm の鉄フライパン 26cm をメインで使っていますが、焼き物には最適。
肉でも魚でも餃子でも本当に何でも焼けて、メインの焼き物調理には万能なフライパンです。
島本製作所の鉄フライパン 26cm。使用して3年目 |
餃子を焼く |
目玉焼きとウインナーを焼く |
魚を焼く |
島本製作所の鉄フライパンの使い方や使い勝手は以下の記事でもまとめているのでよかったらご覧ください。
オムライスの卵やホットケーキなど、小さめのものを作るときは 22cm の中尾アルミ製作所の鉄フライパンを使っています。
少量の炒め物用とハンバーグ用には、ラバーゼの 20cm の鉄フライパンを使っています。こちらは縁が直立していて炒め物向きです。ただ 20cm なので、1~2人用。
レビューはこちらです。
鉄フライパンは、形状・重さ的に、基本的に炒め物には向いていません。
作るものに合わせて、中華鍋か鉄フライパンか、また鉄フライパンでも何cmのサイズを使うか、と選んで使い分けると、快適においしく調理できます。
中華鍋のメリット・デメリット
いろいろ書きましたが、結局中華鍋のメリットって何? というのをまとめると、こんな感じです。
- 炒め物が炒めやすい
- 鉄だから高温調理も OK
- 揚げ物の際、油が少量で良い
- 丈夫で長く使える
深くて丸い底のおかげで炒めやすいのが個人的には最大のメリット。
炒め物は、浅い鉄フライパンだと中身が飛び出しそうになってストレスがたまりますが、中華鍋だとストレスなく炒められる。これが一番!
丸い底に素材がたまり、集中的に火を当てられるのが良いんです。
それから鉄素材で高温調理が可能なので、フッ素加工フライパンよりもおいしく調理できます。
家庭用コンロだと中華料理店ほどの強い火力は望めませんが、家庭でも一般人でもフッ素加工フライパンよりはおいしくできると思います。
中華鍋でガパオライス用のひき肉を炒める |
逆に、中華鍋のデメリットとしては以下。
- 女性には重くて振れない
- デカいので場所を取る
中華鍋は重いので、女性が中華鍋を振って使うのは難しいと思います。私もそうです。基本的にはコンロに置いて使っています。
振って使えなくても、私は問題ないと思っています。底が丸くて深いのでかきまぜやすいし、炒めやすいことに変わりはないです。コンロに置いたまま炒めれば良い。
家庭用コンロの火力だと、振ってしまうと火から遠くなり、中華鍋の中の温度が下がりやすくなってしまいます。
中華鍋とフライパンは代用できるのか
中華鍋とフライパンを代用できるかというと、できないことはないけどうまくは調理できないと思います。
先ほど挙げた通り、作る料理に合わせて適したものが使うのがベストだと思う。
代用したい場合や、どうしても1つしか持てない場合は、深型のフッ素加工フライパンを使うのが良いんじゃないかなと思います。
私も以前は深めのフッ素加工フライパンで何でも作っていました。こんな感じのやつです。
この形なら、焼くのも炒めるのもそこそこうまくできます。
ただ、中華料理は鉄の中華鍋で作ったほうがおいしいし、普通の焼き物も鉄フライパンで作ったほうがおいしいです。高温調理できるので。
鉄フライパンも中華鍋も、結局特化型の道具なんですよね。特定の調理を便利・快適・効果的に行うための道具なので、代用するとその意味がなくなってしまう。
おいしく快適に炒めるために中華鍋を使うし、おいしく快適に焼くために鉄フライパンを使う。ということかなと思います。
中華鍋のおすすめサイズは?
私は 30cm の中華鍋を使って、主に2~3人分の料理を作っています。サイズとしてはぴったり。
それ以下のサイズだと炒め物をするには小さくて調理しにくかったと思います。
また、30cm は一般的なキッチンのコンロにも不都合なく乗り、隣のコンロとも干渉しません。火もちゃんと当たります。底が丸いので、コンロの上では多少不安定感はありますが。
というわけで、中華鍋のおすすめサイズは 30cm。家族2人~4人分くらいまでいけると思います。
1人分なら 24~27cm でも良いかもしれません。
写真は、26cm の鉄フライパンと 30cm の中華鍋を並べて置いた図。この2つは問題なく並べて調理できます。
3つ目の小さいコンロを同時に使うのはちょっと厳しいかも。危なそう。
33cm の中華鍋でもコンロには乗りそうですが、火のあたりがちょっと弱まってしまいそうかなと思います。
山田工業所の鉄中華鍋がおすすめ
私は山田工業所の鉄中華鍋を使っています。
山田工業所の中華鍋の特徴は打ち出し加工であること。
一般的なプレス加工と違って鉄板を打ち出して鍋の形に成形するため、とても丈夫なんだそう。
また、部分ごとに厚みを変えていて、底面付近は薄く、縁付近は厚く仕上げることで、火の回りをよくしているとのこと。
一般的なプレス加工より手間と時間がかかった加工の中華鍋で、とても使いやすいです。
ただ、使用前の空焼きが必要なので、カセットコンロ or ガスバーナーが必須です。
安全センサー付きのガスコンロではこの中華鍋の空焼きを行うのは困難です。
私は最初、カセットコンロもガスバーナーもなかったのでキッチンのガスコンロで空焼きしてみようと思ったんですが、1時間半かかってほんの数センチ程度しか空焼きできませんでした。普通のコンロでは空焼きは無理だと言っていいと思います。
その後、ガスバーナーを買って空焼きしました。ガスバーナーなら1500円〜2000円くらいで売ってるので、持っていない場合はこの機会に購入すると良いと思います。
山田工業所の中華鍋は、サイズ・板厚・柄の素材別にいくつかラインナップがあります。
柄が木のものは持ち手が熱くならないのでおすすめ。板厚は 1.2mm。
柄が金属のものはこちら。板厚は 1.2mm と 1.6mm から選べます。調理中は取っ手が熱くなるので、タオル等を巻く必要があります。
中華鍋を使い始めてから、中華料理系の料理をするのが本当に楽しくなり、料理もおいしくできあがるようになりました。
やっぱり道具は大事ですね。
中華鍋とあわせて使う中華お玉のおすすめはこちらです。
中華鍋・鉄フライパンを洗うときは、柄付きのたわしを使っています。