DELE B1受験記~ 読解・リスニング 試験内容振り返り
この週末、DELE B1 を受験してきました。(2022年11月19日・20日開催の回)
私は前回メキシコで A2 を受験したんですが、もうメキシコでは受けたくないと思っていたことや帰国後はコロナ禍だったこと、その他事情もあり DELE はその後受けていなかったんですが、今回きっかけとタイミングが重なって受験することに。
この記事では、今回の読解・リスニング試験内容と、受験当日の様子を振り返ってみようと思います。
作文・面接の振り返りはこちら
DELE B1 作文・面接 試験問題振り返り
なお、受験対策は EDELSA の問題集を使って基本的に独習で取り組みました。
目次
DELE B1 読解
読解問題の振り返り
読解問題の構成は問題集で把握していた通りだったんですが、いきなり1題目から時間を使う羽目に。。全体的に時間を追われながらの解答になりました。
TAREA 1
いきなり、想定より難易度の高い問題。。
パートナーを探している女性たちのコメントと、男性たちのコメントを読み、相性の良いペアを結びつけるという内容でした。
自分は几帳面である、静かな暮らしが好き、外出するのが好き、こういうタイプのパートナーが良い、子どもはいらない等、自己紹介と相手への希望がコメントに含まれています。
読解問題の1題目は、試験会場という慣れない環境の中で最初に読むスペイン語になるので、家で気楽にスペイン語を読むようにはなかなか読めません。
その緊張感と自分にとっての問題内容の難しさで、最初の15分を過ぎても全部解ききれないという。。予定では、できれば15分以内で解き終えたかったんですが。
難しく感じた理由は、女性側のコメントからだけでは選択肢(男性側)を絞り切れなかったところ。
EDELSA の問題集では、最初に提示される側の文章を読めば選択肢を選べる問題ばかりだったんですが、そうじゃないんですよ。
女性側のコメントからまず条件に合う男性を探し、さらに男性側の条件にその女性が当てはまっているか、という観点で絞り込まないといけなかった。
双方向から、条件を合致させていかないといけなかった、というか。
たとえば、女性1:自分は ordenada である という女性がいて、
男性側の選択肢としては、
- 男性A:desordenada な人は耐えられない
- 男性B:自分は使った物を元に戻せないのが欠点(Nunca dejo las cosas en su sitio)
- 男性C:自分は ordenado である
みたいな調子で、この場合、女性1の側から男性を選ぶことはできず、女性1は男性Aにとっての候補になる、ということしかわからない。
実際のコメントは「自分は ordenada で mucho carácter で、自分のような強い性格の男性が合うと思う、シングルマザーである」という感じで、希望や条件は複数あるんですけど、どの女性も男性も一事が万事こんな調子で組み合わせが難しいの!!
一番明確な条件が子どもを希望するかしないかだったので、そこでまず絞り込み、その他条件をひたすら双方向からチェックしていくという...
落ち着いて解けばできるはずだけど、とにかく時間がかかるという作業でした。
結局 TAREA 1 は15分時間を使った段階で後回しにし、最後に解きました。
もし、この問題の難易度がB1レベルの標準だとすると、EDELSA の TAREA 1 は簡単すぎると思いますね。そこに関しては問題集に不満を感じます。難易度は正しく反映してほしい。
TAREA 2
ロボットコンテストに参加したチリ人学生について述べられた長文。
長文の内容・選択肢とも特に際立って難しい単語もなく、解きやすかったと思います。
TAREA 3
アルゼンチン出身で現在スペインに住んでいるという3人の人物の発言を読み、各設問にあてはまる人物を選ぶという内容。
設問で問われていることは、わりと明確に発言内に書かれていたと思います。
問題集でも基本的にはこの TAREA 3 が、文章の難易度も低く一番解きやすいと個人的には思っていたので、試験の緊張感をほぐすという意味でも TAREA 3 から取り組めば良かったかもしれません。
TAREA 4
長文穴埋め問題。テクノロジーを利用した買い物についての長文。
この TAREA の穴埋め問題は、問題集でもいつも1,2問は引っかかってしまうことが多かった。
ポイントは接続詞や estos 等の指示語だと思うんですが、紛らわしい選択肢・使わない選択肢を見分けるのに苦労します。
問題集と比べて特別難しかったわけではないですが、冷静に選択肢を見極める必要があり、時間はある程度かかったと思います。
TAREA 5
文法の穴埋め問題。
購入した扇風機がすぐに壊れたことに対して、メーカーに手紙でクレームを出している文面。
問題集の問題にある通りの内容と難易度で、普通に文法を勉強している日本人にとっては特に難しくなかったと思います。
ただクレームの文面が可笑しくて、笑えました。
お店の販売員にはこのメーカーの扇風機はすぐ壊れるし評判が良くないって言われたんだけど、見た目がかわいくて買っちゃった。でもやっぱり壊れた。修理屋に出して、すぐ直ると思ったのに部品がなくて時間がかかると言われた。販売員にああ言われたのに買った自分が悪いけど、なんでそんな低品質な扇風機を店に置いておくんだ、みたいな内容で。
何じゃそのクレームはって感じです。笑 (私の読解が間違ってなければですが)
感想・反省点
最初の TAREA 1 に予想以上に時間がかかってしまい、少し焦りました。
あと、隣の席の人が問題用紙にすごく書き込みをする人で、試験が始まるや否や鉛筆で勢いよくシャッシャッて問題用紙にいろいろと書き込んでいて(たぶん線を引いたり、丸をつけたりしてたんだと思う、シャッていう音的に)、その音が気になって最初集中できなかった。
まー、家じゃないので、そういうこともありますよね。。でももうちょっと静かにやってほしいなとは思った。
簡単であることがわかっている TAREA 3 → TAREA 5 の順番でやり始めて、環境に慣れて気持ち的にも落ち着いた頃に TAREA 1 に取り組んだほうが良かったですね、今思うと。
結局、すべて解き終わった段階で8分ほど見直す時間がありましたが、見直しを終えてちょうどギリギリ時間内という感じ。見直しは、TAREA 4 に多く使いました。
う~ん、もう少し余裕があるはずだったんだけど。事前の想定では、見直しを終えたところで時間を10分残してリスニング問題の先読みをしたかったんですが、そんな時間も余裕もなく。TAREA 1 のパートナー問題に完全にやられましたね。
こういうとき、読解の見直しをするか、リスニングの先読みに時間を使うかは人によって判断がわかれそうですね。私は A2 のときもリスニングの先読みをするつもりが時間がなくてできず、でもリスニングはなんとかなった経験があったので今回も先読みを諦めたんですが、今回のリスニングはかなり不出来だったと思うので、先読みした方が良かったかもしれません。
15分経った段階で TAREA 1 を途中でやめて他の問題に移ったのは、良かったと思います。最初に15分使って、最後に10分くらい使って解き終わったので、TAREA 1 だけで25分は使った私。使いすぎ。。
各 TAREA で何分使うか事前にある程度想定しておき、長くかかりそうな場合は後回しにする等、難しい問題があっても他の問題の時間を大きく失わないようにすると良いかなと思いました。
DELE B1 リスニング
リスニング問題の振り返り
リスニングは、問題集を家で解いている分にはそこまで難しさは感じていなかったのですが、やはり試験会場で聞くとなるとぐっと難しい音声が流れているように感じました。なぜだろう。。あまりよくできませんでした。
そして、午後の試験だったんですが、リスニング音声が流れている最中に16時半の夕焼けチャイムが流れました(子どもに帰宅を促すっぽい区内放送)。
リスニング音声が聞こえなくなることはなかったですが、気は散りました。
TAREA 1
たぶんスペインアクセント。
あまり記憶がないんですが、問題集と同等の内容と難易度だったと思います。
TAREA 2
メキシコアクセント。
問題用紙に、メキシコの人の話です~みたいなことが書かれていたので、そこで判断できます。
niño genio(飛び級するような天才的な子ども)について、niño genio だった自分の経験についての内容。
内容的にはそこまで難しくはなかったと思うんですが、やはり長文を聞きながら設問に答えていかないといけないのがつらい。
最初に設問・選択肢を読む時間が30秒与えられるんですが、それだけじゃ絶対読み切れないと思うんですけど。
TAREA 3
アルゼンチンアクセントのニュース問題。これも、確か問題用紙にアルゼンチンの~と書かれていた気がします。
苦手な TAREA 3 のニュースリスニングで苦手なアルゼンチンアクセントが来てしまった...と、音声が流れる前から恐怖でした。笑
いやー、私にとっては難しかったです。正答率、低そうです。
あと、この TAREA に関しては、1~6までの各ニュースが一通り流れてから再び1~6まで通して流れるんですね。
一問ずつリピートされるわけではない。
問題集 EDELSA のリスニング音声は各設問が1回分ずつ収録されているだけで、リピートを含めた問題全体の流れはまったく再現されていません。TAREA 3 だけこのような流れになっているとは知らず、意表を突かれました。
(前回受けた A2 でもそうだったかも、、忘れちゃったけど)
TAREA 3 も、スピード的にはそんなに速くないんですが、慣れないアクセントでの聞き取りと、やっぱり固有名詞の聞き取りが難しいですね~。
いずれも、問題集をやって聞き取りにくいな~と感じてはいたんですが、だからといって特別な対策を取ったわけでもないという状況で。
苦手なアクセントがあれば、やっぱりそれは聞き込んでおく必要があったなと思いました。問題集にもちゃんと、アルゼンチンアクセントの問題が出ているので。準備不足。
TAREA 4
6人がどんなレストランに行ったかという話を聞いて、それぞれの話に合う選択肢を選ぶというもの。たぶんスペインアクセント。
選択肢内にわからない単語があって影響を受けました。
また、TAREA 3 がわからなすぎて、内心パニックな状態 & TAREA 3 のことを少し考え続けながら取り組むことになってしまい、集中力を失ってしまったことも反省。
TAREA 5
スペインアクセント。男女2人の会話。
具体的な内容の記憶がなぜかほとんどないんですが、思っていたより難しかった印象。
細部までしっかり聞かないと、正答を選べないような会話文だった気がします。
感想・反省点
リスニングは、とにかく選択肢を読む時間がない!!
事前想定では、読解の残り時間で問題・選択肢を先読みしておく予定でしたが、結局時間がなくて読めず。そしてリスニング中も、本当に時間がなくて読めなかった。
一応問題に入る前に少しだけ読む時間を与えられますが、絶対読み切れないと思う。。どうしたら良いの?笑
私の場合は、結局選択肢は読み切れなかったので問題文を聞きながら選択肢もなんとか読んでなんとか答えを探す...みたいな大変な作業になってしまいました。
問題集を解いていたときはいつも読解時間内で先読みしていたので、本番も読解の見直しを諦めてやはりリスニングの先読みをしておくべきだったかなぁ。う〜ん、でも今振り返っても、あのときの焦った精神状態だと、読解をやめてリスニング問題を読んでも頭に入らなかった気も。
先読みしない場合、聞かなくてもわかる説明文が流れている時間を最大限使って設問・選択肢を読むしかないと思うんですが、それでも厳しい。「先読みできない場合」のシミュレーションをしてなかった。
というか EDELSA のリスニング音声って1回分しか収録されていないので(試験では同じ文が2回流れる)、問題ごとに自分で再生・リピート・一時停止のボタンを押さないといけないのと、問題の説明文は音声収録されていないので、試験の完全なシミュレーションができないんですよね。
上記の通り、TAREA 3 では問題文のリピート方法が違うということもわからなかったし。
最初に一度再生ボタンを押せば、試験と同じように説明文と問題文が流れて、試験と同じような間を取った状態の音声でリハーサルができるような形式であってほしかったです。
El cronómetro という問題集は、私は B2 レベルはこの本を買ったんですがリスニング音声はきちんと最初から最後までつながった形でリピート含めて収録されているので(少なくともB2の問題集に関しては)、リスニング音声という点では EL cronómetro のほうが良いと思います。
試験のリスニング音声は、速すぎて何言ってるかわからなくて聞き取れない、ということはないんですが、選択肢で問われる内容が細かくて紛らわしい。
「音声が流れる中、短いインターバルで選択肢を読み、正答を選ぶ」という点で、やはり事前トレーニングがもっと必要だったなと思っています。
まぁ結局、迷って正答を選べないのはリスニング力がないからってことなのかもしれませんが。泣く。
合否は今の段階ではわかりませんが、リスニングが相当足を引っ張るだろうなという予測はつきます。
DELE B1 受験当日の様子
最後に、受験当日の様子を少し。
私は東京で受験しました。1日目が筆記、2日目が面接です。
筆記試験の時間割はあらかじめ決まっており、B2~C2が午前開始、A1~B1が午後開始です。
私は試験終了後に気づいたんですが、時間割はインスティトゥト・セルバンテス東京の公式サイトにて掲示がありました。
2022年 DELE 試験時間割
筆記試験の会場は東京国際フランス学園、面接は市ヶ谷のインスティトゥト・セルバンテス東京。
筆記試験では指定されていた集合時間の20分前くらいに到着しましたが、校舎入館時に体温検査をしており学校外の道にまで長蛇の列が。。。(並んでるときはみんな受験票と身分証のチェックかと思って準備してたのに体温だけっていう、、)
その後教室に入るまで、20分以上くらいかかった気がします。自宅から会場まで2時間くらいかかり、さらに列の待ち時間で結構疲れました。
受験番号ごとに指定された教室へ。学校机に1人ひとり座っての受験でした。
メキシコで受けたときは、海外の大学によくあるような椅子に小さな机のようなものがくっついているタイプの椅子机だったので、それに比べたら非常に受験しやすい環境でした。さすが日本。
めちゃくちゃ受験者が多かったことに、少しびっくり。長蛇の列を見て、こんなに受験するのかーと。
読解70分、リスニング40分の間にトイレ休憩は無し。
リスニング後、20分くらいトイレ休憩があります。この間にパッと食べられる甘いものやゼリー飲料を持っていけばよかったです。読解とリスニングだけでかなり疲弊しました。
最後に作文で1日目は終了。
2日目は、指定された集合時間にセルバンテス東京へ向かいます。
まずは待合室に移動し、その後呼ばれた人から準備部屋に移動、15分後に面接部屋に移動と、時間通りにシステマティックに流れていました。