手作りのパンが翌日固くなるのをようやく改善できてきた
趣味でパン作りをしていますが、翌日には焼いたパンが固くなってしまうことに以前から悩んでいました。
焼き立て・冷め立ては美味しく食べられるのですが、完全に冷めた翌日には固くなっている。中がふわふわしていないというか、ぎゅっと目が詰まったような感じになっていて、固い。
昔作ったメロンパン。断面の目が詰まっているように見える |
電子レンジで温めれば多少復活してまぁまぁ美味しく食べられますが、なんかな〜と思っていました。
以前はパン教室に通っていましたが引っ越してからは近くに教室がなく、YouTube などを見ながらなんとか自力で試行錯誤していて、ようやく改善できてきた感じがします。
最近作ったメロンパン。断面も以前より改善されて、翌日もふわふわしている |
この記事では、何をどう変えたら翌日のパンもふわふわするようになったかを、できるだけ具体的にまとめてみました。
目次
パンが固くなる原因はこね不足と発酵不足なんだけど...
翌日に手ごねのパンが固くなってしまう主な原因は、こね不足と発酵不足だと言われています。
これは、わかる。知識としては知っている。
ちゃんとこねて、ちゃんと発酵させれば良いことはわかっているし、自分ではそうしているつもり。なのに、結果的に翌日固くなるパンができあがってしまうのが悲しいところなのです。
検索してみても、しっかりこねてグルテン膜チェックしましょうとかしっかり発酵させましょう、みたいな当たり前のことしか書いてない。
いやいやそうじゃなくて、こねたあとのグルテン膜は一応チェックしてるし、一次発酵のフィンガーチェックもしてるんだけど、それなのに固くなるから困ってるっていう。
どこかがダメなはずなんだけど自覚のないところが原因になっている、というのがやっかいなんですよね。
こういうのはやっぱり動画が良いですね。言葉では説明されなくても、自分で気づけることがある。
で、いろんな動画を参考にしてみて試してみた結果、翌日も固くならないパン作りに効果があった方法をいくつか紹介したいと思います。
具体的に何をどう変えてどう変わったか、よければ参考にしてください。
翌日ふわふわなパンを作るのに効果的だった具体的な方法
「ころがす」こね方をメインにする
こね方を少し変えてみました。
- Before:伸ばしごね→たたく→V字ごね
- After:伸ばしごね→ころがす→最後にちょっとたたく
これまでやっていたのはパン教室で教わった方法で、一般的なこね方だと思うんですが、YouTube でこねている人のこね方を参考にしてたたくよりも転がすようにしてこねるようにしました。
そうすると何が変わるかというと、
- 生地があったかくなる
- 生地がほどよいウエット状態で、乾燥しない
私はもともと手がすごく冷たい人です。なので、他の人と比べてもこねている間の生地の温度は低かったと思います。
それが、ごろごろところがしてこねていると、生地がどんどん温かくなってくるのを手で感じる。私の場合は、ころがしたほうが発酵が進行しやすい温度になりやすい気がしました。
また、水分量がかなり多いとき以外はあまりたたかないようにしました。
パン教室では、伸ばしごねでグルテンを形成したあとはたたいてグルテンを強化する、と習っていたんですが、上記の YouTube の人はほとんどたたいてなくて、基本的にころがしていた。
V字ごねでもなく、麺棒をころがすように単なる上下運動でころがしていて、えっこれで良いの? みたいな。
たたくのをやめてころがしていると、生地が全然乾燥しません。ほどよいウエット状態で、つるんとした生地になっている。(全くころがせない場合はたたきます)
発酵中は乾燥させちゃいけないのは知っていましたが、私の場合はこの「たたくことによる乾燥」が大きくて発酵の妨げになっていたかもしれない、と思いました。
こねあげる最後だけ、生地の表面を張らせるために少したたきながら丸めて終わりにします。
こねあげたあと、室温で10分放置する
こねあげたあと、発酵する前に室温に10分放置します。
ボウルの中に入れてラップをしておくか、写真のようにボウルをかぶせて台の上で放置。
実はこね不足になっているかもしれない可能性に対する対策です。
こねたあとは一応グルテン膜をチェックしてこのくらいで大丈夫かな~と自分で思う程度でこねあがりとしていますが、もしかしたらそんなグルテン膜じゃだめ! ということなのかもしれない。
こうして放置したあとに再度グルテン膜をチェックしてみると、こねたあとよりも明らかに薄く強い膜になっていて、おぉこれは良い感じだ、となる。
本当は手ごねでそこまで膜が張れたら良いと思うんですが、自分の力でそこまで持っていくのはたぶん無理。。放置しておくだけでこんなにグルテンが強くなってくれるのなら、ぜひともやろうという感じです。
10分後、生地を数回やさしくたたいてから発酵に移ります。
発酵10分前から、熱湯を入れた容器をオーブンに入れておく
発酵にはオーブンの発酵機能を使っています。
前述のように生地をこねたあと室温で10分放置している間、熱湯を入れた容器をオーブンに入れて、発酵スイッチを入れておくようにしました。(容器は耐熱のマグカップやお皿などを使っています)
そうすると、発酵しようとするときにはオーブン庫内は適度に温度と湿度が高まっています。
事前に温度と湿度を高めておくと、発酵器を使うパン教室と似た状況で発酵が開始できます。
これまでは発酵しようとするときに発酵ボタンを押すだけでしたが、そうすると発酵スタート時の温度はレシピで指定されている温度よりも低いことになり、必然的に発酵時間は増えます。
まぁ温度に関しては発酵時間を伸ばすことで対応できますが、ポイントは湿度な気がしました。
これまで発酵に関しては温度と見た目の膨らみだけ意識していて、湿度のことは全然考えてなかったんですが、湿度をちゃんと高めることで発酵が促進されて実は発酵不足になっていたのが解消されたのでは、と。
発酵時はラップをかけるだけで OK だと思っていましたが、もしかしたら湿度が低くて生地が乾燥していたのかもしれない。
(ただこれまでもずっと一次発酵後のフィンガーチェックはやっていて、フィンガーチェックでは発酵は OK だったと思うので、あんまり関係ないかもしれません)
発酵時から庫内の温度を高めておくことで、発酵時間もこれまでより少し短縮できます。
熱湯の容器は発酵中ずっと庫内に入れっぱなしです。ボウルにはこれまで通りラップをかけています。
二次発酵のときも同様に発酵させています。
やさしく丸め直す
丸め直しのやり方を変えました。もっとやさしく丸めるようにしました。
いろんな動画を見ていて、私の丸め方は強すぎるのかも、、と感じました。
丸め直すときはガスを抜かなきゃいけないと思っていたから、生地を若干つぶすように強く丸め直していたんですが、それをやめて、やさしくやさしくを意識。
生地の扱い1つで焼き上がりは変わると言いますが、ほんとにそうだと思います。
二次発酵の見極め方を変える
二次発酵の見極め方を変えました。時間的には、これまでより長めに取るようにしました。
パン教室では、基本的に40度で15〜20分の二次発酵(発酵器)、その後すぐに焼きに入っていました。二次発酵完了の見極めは「ひとまわり大きくなったら」。
その感覚がいつもあって、家では35度で発酵させているのですが、ひとまわり程度大きくなったら焼いていたんですが。
それが、もしかしたら発酵不足だったのかもしれません。
YouTube やネット上のレシピを見ていると、35度で二次発酵させている人は多いようなんですが、二次発酵完了時の生地の膨らみが私が習った感覚よりも大きい!
えっこんなに二次発酵で膨らませて良いの?? と最初は思いました。「ひとまわり」の感覚が違うのだろうか。実際、「ひとまわり」ってすごく曖昧な表現ですよね。
でも、二次発酵時間を35度でこれまでよりも長めに取るようにしたら、うまくいくようになった気がします。
推測するに、パン教室では一次発酵も二次発酵も40度でやっていたので全体的に発酵の進行スピードが早く、二次発酵はひとまわり大きくなった状態で完了とした方がうまく焼き上がるのかなと。早めに切り上げないとすぐに過発酵になってしまうのかもしれない。適度な発酵状態である時間が短いというか。
35度で二次発酵させた場合、40度よりも発酵スピードが遅くなるはずなので、もうちょっと待ったほうが良いのかなと。(温度が低いから時間を伸ばすということではなく、見極める大きさを変えるということです)
なので二次発酵の見極めとしては35度であれば40度のときよりも発酵が進んだ状態でよく、むしろそうじゃないと発酵不足ぎみになっちゃうのかなと思いました。一次発酵も35度でやっているので、ベンチタイムや成形のときから教室でいつもやっていた40度の発酵とは進行が違うんですよねきっと。
間違ってたらすみません。そもそも大きさで判断するのがだめ、というのもあるかもしれない。言いたかったのは、自分は正しいと思っていた二次発酵の見極め方が間違ってたっぽい、ということです。
ただ、二次発酵の見極めに関してはまだまだ試行錯誤中です。難しい。
くるみパンとレーズンパン |
まとめ:パンが翌日固くなる原因はたぶん1つじゃない
パンが翌日固くならないようにするためにパン作りで変えたことを具体的に紹介してきましたが、どれが本当の原因となっていたかはわかりません。
ただ、どれかが決定的に悪かったというよりは、複合的な問題なのかなと思いました。基本的なパン作りは教室に通って習ったので、どこかの工程がまるっきりだめなのではなく、どの工程もちょっとずつ足りないというほうがしっくりくる。
手ごねでパンをうまく作れるようになるには回数をこなさないといけないし失敗も乗り越えないといけなくていつも大変だなーと思っていますが、うまく作れるとうれしいし美味しいからまた焼こうという気になります。
パン作りの本当のコツってネット上にはなかなか載ってないですよね。パン教室の先生のブログとかにたまに有益そうなことが書いてあったりするんですが、「くわしくは教室で」とか「うまくいかない原因は...」って導入だけして答えは書かずに「解説は教室で」みたいになってたりして。。
まぁ結局、文字で説明できることではないってことなのかも。
私も検索するだけでは欲しい情報になかなかたどりつけなくて、いろんなパン作り動画を地道に気長に見てようやく気付き始めたという感じです。
この記事で紹介している内容も、人によってうまくいく場合といかない場合があるかもしれませんが、趣味パン作りの何らかのヒントになれば幸いです。
パン焼きには、アイリスオーヤマのコンベクションオーブン(通称オーヤマくん)を使っています